私は新卒で入社してから11年間、工場で製造の仕事をしていました。
そして12年目の夏に、人事異動があり営業へ移りました。
2つの職種を経験して、私なりに感じた大きな違いを書いていきたいと思います。(営業職はまだ数ヶ月なので偉そうなことは言えませんが…)
異なる職種。しかも工場内の部署異動ではなく、全く畑違いの部署への異動ということで、私自身とても戸惑いました。
人事異動した人間は、たいていの場合不本意に感じたり不満を感る人が多いと思います。今まで築き上げたキャリアが崩れると嘆く気持ちも分からなくもありません。
しかし、私は会社員です。従業員です。会社が決めたルールの中で働かなくてはいけません。それが嫌なら辞めればいいだけの話です。サラリーマンの宿命です。
その代わりに各種税金、給料、ボーナス、利益を生み出すビジネスモデル、などを与えてもらっています。私たちの家族の生活を守ってくれています。
働き方改革で働く環境が見直されています。それはとても良いことだと思います。
しかし私は、自分が現在している仕事に対し真剣に取り組む。という志向が、まずは必要であると思っています。
話がそれてしまいましたが、工場勤務と営業職の3つの大きな違いについて書きたいと思います。
目次
疲労感
肉体的疲労の工場勤務
私の会社の工場は受注が入った製品の加工を行っています。
加工をするために大きく分けると3つの部署があります。
出来上がった加工品を管理する部署、検品する部署、検査する部署があるので、細かく分けると6部署です。
加工現場では火の使用、重たい物の持ち運び、立ち作業などがあり肉体的にはしんどいです。私も11年加工現場にいたのでその大変さは分かります。
毎日立ち仕事をしていると足の疲労感はハンパないです。夏は汗が止まらないし冬は寒いです。現場作業は体力勝負な所が多いです。
精神的疲労の営業職
一方で営業職では肉体的疲労はあまり感じません。自動車での移動は座れますし、デスクで事務作業をするときも椅子に座って行います。
しかし、お客様と自社工場とのパイプ役になるということで、常に板挟みの状況から逃れられません。お客様からの要求と自社工場からの要求。どっちも聞かなくてはならないけど…という状況は山ほどあります。
お客様にクレームを入れられることもあれば、自社工場からのクレームもあります。
気分的に乗らない時でもお客様の前では、笑顔で接しないといけません。
精神的にはかなり辛いですね。
工場勤務→肉体的疲労
営業職→精神的疲労
ですね。
服装
工場勤務と営業職では、服装の面で作業着とスーツの違いがあります。
そんなことかよ。。。
そんなことなんですが、30代を超えて仕事でスーツを着るとなると大変な面があります。あまりにも安物のスーツを着るのもどうかと思うし、サイズ、色、ネクタイ、Yシャツ、革靴など着慣れていないので選び方が分からず苦労しました。
しかも自腹で買いそろえなければいけないので、損したなと思ったこともありました。
基本的に作業着は、会社からの指定されたものを支給されます。
仕事着で、何万円も出費が出るのは嫌でした。
しかし、スーツも着慣れてくるとネクタイの柄や靴などで変化をつけたりと、少しづつ楽しくなってきます。それに、自分の好みのスーツやネクタイでビシッとキメて家を出ると、気分的にはかなり上がります。なんだかんだスーツを着た男性はカッコイイ。
ただ一つスーツ選びで気を付けてほしいことがあります。
それはサイズです。
サイズの合っていない大きいジャケットや、ぶかぶかのパンツはダサいです。
体にフィットしたサイズのスーツを購入しましょう。
工場勤務→作業着
営業職→スーツ
思考回路
私が一番違いを感じた部分は仕事をする上での思考回路です。
決められた仕事を効率よくこなす
工場勤務時代の私は、工場内での加工作業の過程でどうすれば生産性を上げられるか考えていました。
初めは加工の技術を覚える事で精一杯でしたが、慣れてくると日々の仕事をどうすれば早くさばけるか?どうしたら技術を向上し質を上げられるか?
考えていました。
工場の仕事は受動的な要素が強く、作るべき製品の種類や数は決められています。
それをいかに速く質の良い物を作れるかが一番大事な要素です。
必然的に、その日にやるべきことは決まっているので終わりが分かりやすく達成感も感じやすいかもしれません。
しかし作業も慣れてくるとマンネリ化してくるのも事実です。人間関係も工場内の人だけの関わりなので、狭くなりがちです。
売り上げに貢献。そのために必要なことを考え行動する。考えることに終わりはない。
一方で営業職は、単価の交渉や納期の調整、クレームや新規の案件ではお客様と工場の間に入っての調整やフォロー、事務作業、売り上げ高の確保など考えることが山ほどあるという印象です。
工場での仕事は1日ごとに完結しますが、営業の仕事は基本的に完結することはありません。
工場から営業へ異動した私にとって、この違いにとても苦しみました。
まだ異動して1年も経っていないので、まだまだ学ぶことばかりです。会社内でも分からない事ばかりですし、お客様に聞かれても即答できない時も多々あり怒られることもたくさんあります。
しかし向上心を持ってやっていきたいと思える仕事です。
営業が適正な価格で仕事を持ってこれなければ会社の売り上げは落ちてしまします。
責任重大なポジションを任せてもらっているのだと自覚しなくてはいけません。
これからも利益を出すために考え続けることをし続けなくてはいけません。
きっとこの考え続けるという行為は営業で働く以上、終わりがないのだなと思っています。自社を知り、お客様を知り、向上心を持って考え続ける。
まだまだ浅いキャリアですが、営業とはこういった仕事だと自分なりに思っています。
工場勤務の人間が製品を作り、営業職の人間が仕事を取ってくる。それぞれがお互いをリスペクトしながら日々の仕事をこなしていくことが大事なのだと感じています。
工場勤務→決められた仕事を効率よくこなすことを考える。(体を使った仕事)
営業職→決まりはなく会社の売り上げに貢献できることは全て考え行動する。考えることに終わりがない。(頭を使った仕事)
まとめ
結局はどっちでもいいけど…
究極を言うと、工場勤務も営業職も、どちらも大事な仕事である事には変わりありません。
会社という組織で働く以上、どちらも人間関係がとても大事になるでしょう。
しかし営業職に異動して、出会う人の数や考える事柄が増えました。
そして私なりに世界が広がっていったのは事実です。
お客様とお話をしてやり取りすることも、次第に楽しく思えるようになってきました。
そして何より感謝したいことは、この人事異動を決定した方です。
転職をせずに、全く違った世界を経験させてくれて本当にありがたく思っています。
工場勤務の仕事と営業職の仕事の両方を経験できるなんて、とても幸せな事だと思います。
会社員である以上、私は会社のために。そしてこの人事異動を決定した方のために会社の売り上げに貢献していきたいと思います。
これからも様々な困難にぶち当たると思いますが、お客様と工場のみんなへの愛と向上心を持って頑張っていきたいと思います。
今回は私と同じように、人事異動で仕事内容が大きく変わった方に参考にしていただけたら嬉しく思います。